2015年2月23日月曜日

【行事報告】市民のエネルギーチェンジ研究会in芦別

市民のエネルギーチェンジ研究会in芦別 
2/21、無事終了しました。
快晴、寒さもさほどではなく、清々しい光の中の現地視察と研究会、たいへん有意義な会になりました。ご協力いただきました芦別市のみなさま、地元から札幌から滝川から富良野、他各地から、参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
エネチェンネットワーク会員の「たきかわ環境フォーラム」平田剛士さんが報告を送ってくださいました。





以下---

きょう芦別での研究会に参加しました。
みなさま、ありがとうございました&ごくろうさまでした。
参加人数は30人弱だったかと思います。こぢんまりとちょうどイイ感じの会合でした。
午前中は、芦別市役所総務部政策推進課の長野さん、佐々木さんご両人のご案内で、市内のスターライトホテルで稼働まもなく1年というチップボイラ施設と、すぐそば(クルマで3分)の丸太破砕施設を見学しました。
チップサイロ(チップ貯蔵室)では、ダンプのドライバーさんが、満載したチップ約3トンを深さ4メートルのサイロにドサーッと豪快に投入するところを見せてくれました。全員、デジカメのシャッター切りまくり。いつもは需要(冷泉を温めてホテル内の大浴場にお湯を送るためのボイラです)の高まる夕方にやる作業だそうですが、わざわざこの時間に合わせて下さったみたいで、芦別市さんの演出力をヒシヒシ感じました。さすが映画の学校……。
2階建て住宅ほどの大きさのボイラー室では、2基ならんだピカピカの大型ボイラがガンガン燃えていました(小窓から炎が見えます)。重油ボイラに比べると立ち上がり(エンジンでいうとアクセルの敏感さ)に難があるそうで、それを補うのに80℃のお湯を7トン貯めておけるこれまた大型の蓄熱槽2基が取り付けてあったのが印象的でした。それでも団体のお客さんがいっぺんにシャワーを使ったりすると賄いきれず、バックアップ用として別棟で従来の重油ボイラ1基をスタンバイさせている、とのことでした。スターライトで温泉に入られる時は、ほかのかたと順ぐりにシャワーを浴びましょう。
材木をチップに破砕するヤードは、広大でした。ここで働いておられる「新規雇用創出」のお二人にもお話を聞きました。夏場と冬場の需要差が大きく通年運営が課題、とのことだったので、「冬の分を夏の間に作りおきしておけば?」と聞きましたら、硬質・乾燥型のペレットと異なり、木をただ破砕しただけのチップは長期保存には向かないのだそうです。またひとつカシコクなりました。
燃料の流れの下流(ホテルでのボイラー燃料の需要)から遡って中流(チップ生産量)、さらに上流(山地からの材搬出量)の規模を割り出し、全体デザインを描いていったのが、芦別市さんの手法ですが、午後の意見交換では、もりネットの山本牧さん(旭川)から、上流(林業者)から絵を描く場合もあります、と事例紹介があり、非常に興味深かったです。牧さんのトコは「丸太ボイラ」だそうです。いずれにせよ、需給バランスをすべて把握してから始めないとうまく持続できないだろうことは、よく分かりました。大手による大規模な木質バイオマス発電所にはそれが欠けているのでしょう、きっと。
昼食には道の駅のレストランで「がたたんらーめん」をいただきました。ごちそうさまでした。
午後は座学です。北海道大学の山形さんが「地域の木質バイオマスをどう利用するか」、芦別市の長野さんが「芦別市木質バイオマス利用促進事業に係る取組内容」、また有限会社三素(富良野市)の家次さんが家庭向けペレットストーブ、オフグリッド(売電しない)のソーラーパネル、寒冷地仕様の太陽光温熱機、さらに富良野市内での水車設置の事例などについてスピーチされました。内容は……省きます。
意見交換も非常に活発でしたが、主催のおふたりの言葉がとくに印象に残りました。
秋山さん
「これまで札幌、帯広、遠軽、別海、そして芦別と勉強会を開いてきましたが、それぞれ(再生可能エネルギーの)資源が違います。それぞれのフィールドに合ったやり方を、地元の企業と市民が一緒にアイディアを出し合い、ディスカッションすることで実現していきたいと思っています」
宮本さん
「(このムーブメントは)エネルギーチェンジという名前ですが、単にエネルギーを選び直すだけではないと思っています。市民が社会を動かす力、という意味のエネルギー。何も勉強しないでは、このエネルギーは得られません。学んで、考えて、選ぶ、ということをやりたい。分からないことは専門家に聴けばいいわけで、市民がこうやって意見を表明して社会を変えていくということが習慣になったら…」
閉会後、居残り組みは「100年記念館」の長谷山館長の名調子に誘われて館内展示を見学しました。かつて「炭都」と呼ばれ人口過密都市だった往時がジオラマになっていて、自分たちってつくづくエネルギー(政策)に翻弄されているんだな〜、と感慨深かったです。
 
「たきかわ環境フォーラム」平田剛士さん

ーーーありがとうございました。





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